微笑むキリスト像の秘密


十字架上のキリスト像は、苦痛に満ちた表情をしています。それは、本当に苦しまれたからです。中には、それを強調するあまり人間を恨むような顔をした像もありますが、それは誤りです。ところが、どう見ても微笑んでいるように見える十字架像があります。スペインのザビエル城の聖堂にあるキリスト像です。なぜ、イエスは十字架の上で微笑んでいるのでしょうか?これは何かの間違いでしょうか?

「イエスは神様だったから十字架も平気だった」と考えるのは誤りです。私たちと同じ肉体を持って本当に苦しまれました。痛みが伴わない捧げものなら価値がありません。苦しみは愛の試金石なのです。だから、苦しみを受け入れることで私たちへの愛を示しました。「あなたが受けるべき罰を私が代わりに受けます」という心で受け入れたのです。だから、けっして人間を恨んだりしません。

見たところは、釘で十字架の木に打ち付けられていますが、真実は、愛の心で十字架の上の自ら残っています。外見は受身形ですが、内的に見れば積極的な行動でした。それは、天の父である神に人々の罪の赦しを願うことだったのです。アダムとエバの罪から始まり、世の終わりの最後の一人の罪までを前もってゆるすためでした。だから恨んだりするはずがありません。また、目の前にいる人の罪をゆるすためでもありました。それはローマ兵であり、今の私でもあります。

人々が自分の罪に気づき、神に赦しを請う時、その罪はゆるされます。それは自動的にゆるされるのではなく、十字架のキリストの苦しみを通して赦されているのです。その時、十字架のキリストは、自分の苦しみが役に立った事を嬉しく思い、心の中で喜ぶのです。苦しみながら喜ぶのです。私たちが罪のゆるしを願うとき、十字架のキリストが眼前にいるのです。そして、私を見て微笑まれます。きっと、その瞬間をあらわした十字架像なのですね。■
*2014/04/13「受難の主日」ミサ説教より

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この記事へのコメント

トマさんの羊
2014年04月28日 12:15
トマさん、私の罪は自動的に許されているのではなく、十字架上のイエズス様の苦しみを通して許されているのですね。そのことを再認識しました。「許される」ということは、なんて有り難くて、なんて申し訳ないことなんでしょう。それなのに、この私が人を許すことができないというのは、一体どういうことなんでしょう・・・。ごめんなさい、神様。とっても悔しい気がします。

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