白血病になって
彼は24歳の若さでこの世を去りました。
夏に発症して、同じ年のクリスマスに亡くなりました。あっという間でした。最後は意識不明に陥り、緊急洗礼を授けました。それから5日後に亡くなりました。
英語を生かして働きたいという希望が叶って、その年の4月から商社で働き始めました。有能で、すぐにベトナム勤務を頼まれました。その時、すでにフィアンセがいたので相談し、悩んだ末に断りました。現地の高官を接待する仕事で、いかがわしい店にも行かなければならないと分かったからです。
それから一ヶ月後、日本の最先端の医療検査で白血病が発見されたのです。摂理的でした。ベトナムに行っていれば、原因不明のまま適切な治療も無く、亡くなっていたかもしれません。悩んだ末の決心が正しかったと確信して、神様に感謝していました。学生時代に知り合ったチリ人の学生が熱心なカトリック信者で、彼の生き方に心惹かれてキリスト教の勉強をしていました。病気が分かってからは、熱心に祈り始めました。
病状の進展が思ったより早く、直ぐに入院して、手術をしました。成功の可能性は低いと承知していましたが、「自分は生かされている!」と感じて、「今、生きていることがありがたい」と、しみじみと語ってくれました。神様を信じていましたが、フィアンセや家族に遠慮して洗礼の話を切り出せないまま時間が過ぎて、衰弱していきました。意識不明に陥り、人工呼吸器で延命措置を始めたとき、母親が本人の意向を尊重して「この子に洗礼を授けてください」と連絡が入りました。■(つづく)
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