福音を伝える

イエスは、ご自分の使命を「福音を宣教することである」(ルカ4.43)と明言されました。福音とは、簡単に言えば、「罪がゆるされること」「神と仲直りすること」「救いを得ること」「天国で永遠の幸せを生きること」です。ところが、現代人にはピンと来ません。むしろ、これらを忘れよう、考えないことにしようとしています。そして、人間の手だけで幸福を追求しているように見えます。

「罪の意識は、自分の思い込みである」「神はいない」「救いより癒しを求める」あるいは「救いは自分の力で切り開く」「天国の幸福より今の幸せ」だと考えているのです。その結果、この世の富を奪い合い、力と力が対立して争い、ストレスを抱え、人生に行き詰まっています。「神と出会うまで人間の心に平安はない」(『告白録』:聖アウグスティヌス)のです。

ところで、イエスは福音を伝えるという仕事を自分だけでなく、使徒たちにも与えました。「あなたたちも人を漁する漁師になる」という言葉で、使命を与えました。どうして、このような面倒は方法を取られたのでしょうか?ご自分一人で手際よく終わらせれば、もっと合理的だと感じます。でも、そこには神の深い考えが隠されていました。それが分かれば、納得できるはずです。

福音は、もう実現したのですが、それをどのように手に入れることが出来るのでしょうか?そのためにイエスは、「互いに愛し合いなさい」という新しい掟を示されました。これは義務ではなく、勧告(すすめ)です。自分から望んで果たすことです。人から命令されて果たすのではありません。そして、福音を伝えるとは、まさしく目の前の人を愛すること、そのものです。イエスがキリスト者に福音を伝える使命を与えたのは、私たち自身が救われる道そのものだったからです。■
*2015/09/03 今日のミサ福音の解説(ルカ5.1-11)

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